Jul 2, 1998
「道祖神なんて珍しくないよ」とおっしゃる方もいるとは思いますが...
前橋市も利根川より西は「川向こう」と言われていたようです(今でも言われることがあるらしい)。今では大きな橋も架かっているし,市街地もどんどん拡充しているのですが,古いものも残っています。
写真は神社の一角に静かに佇む道祖神です。道祖神の後ろにある花はヤブカンゾウです。更にその後ろに立っている細長い石の群は「庚申塚」です。
おっと,「庚申塚」って書いてあったけど,石にはちゃんと「庚申塔」って彫ってありますね(^_^)。私のもっている辞書で確かめると,それには庚申塚の方が書いてあります。
「たくさんあるな〜」とは思ったけど,数は数えなかった。このようなものは「百庚申塔」と呼ばれるそうです。
民間にある「庚申信仰」というのは,60日に一度巡ってくる「庚申(かのえさる)」の夜に,徹夜で庚申様を信仰したもの。ついでに,辞書には「庚申待ち」というのが載っていました。「庚申の夜に寝ると,人の腹の中にいる三匹の虫が抜け出して昇天し,天帝にその人の罪科を告げ命が奪われるというので,寝ないで過ごしたこと」だそうです。
ちょっと脱線しましたが,その信仰に付随して,庚申塔を奉納したということで,「お百度参り」とかいうように百という数が満願を表すことから,百基の庚申塔を奉納したという。
なお,塔の中に,「青面○○」と刻んだものがあったが,それは「青面金剛」だと辞書には書いてありました。今度もう一度確かめてみましょう。ついでに,塔がいくつあるかも数えてきます。手元にあった辞書は,西尾実・岩淵悦太郎「岩波国語辞典」の第6刷で,発行年は1965年です。(7月10日記す)
数えてきました。「庚申塔」が88基,「青面王または青面尊」と刻まれたものが12基で,合計100になっていました。(7月15日記す)