また,共変量の平均値ベクトル $\matrix{\bar{X}}$ と平均偏差ベクトル $\matrix{Z}$ をそれぞれ,
\[ \matrix{\bar{X}} = \left (\bar{X}_1, \bar{X}_2, \dots, \bar{X}_p \right )' \] \[ \matrix{Z} = \left (X_1-\bar{X}_1, X_2-\bar{X}_2, \dots, X_p-\bar{X}_p \right )' \] とする。
\[ \lambda(t\ ; \matrix{Z}) = \lambda_0(t)\ \exp \left (\matrix{\beta}\;'\matrix{Z} \right ) \]
\[ S(t\ ; \matrix{Z}) = S_0(t)^{\exp \left (\matrix{\beta}\;'\matrix{Z} \right )} \]
$\lambda_{0} ( t ) ,S_{0} ( t )$ は,共変量が平均値をとったときの瞬間死亡率と生存率である。
生存率関数は,共変量ベクトル $\matrix{X} = (X_{1},X_{2}, \dots ,X_{p} )'$ を持つ特定の症例の,時間 $t$ における生存率を表す。
ハザード関数が,時間 $t$ に依存する部分と共変量に依存する部分に分解されている点がこのモデルの特徴である。
\[ \log \left \{ \frac{\lambda(t\ ; \matrix{Z})}{\lambda_0(t)} \right \} = \beta_1\left (X_1-\bar{X}_1\right ) + \beta_2\left (X_2-\bar{X}_2\right ) + \dots + \beta_p\left (X_p-\bar{X}_p\right ) \] \[ \frac{\lambda(t\ ; \matrix{Z})}{\lambda_0(t)} = \exp \left \{\beta_1\left (X_1-\bar{X}_1\right ) + \beta_2\left (X_2-\bar{X}_2\right ) + \dots + \beta_p\left (X_p-\bar{X}_p\right ) \right \} \tag{1} \] ある特定の共変量ベクトル $\matrix{X}$ を持つ症例と,共変量ベクトル $\matrix{\bar{X}}$ を持つ平均的症例について,( 1 )式は前者の後者に対するハザード比を表している。
共変量 $X_{i}$ が特定の値をとり他の共変量が平均値である場合は,次式によって,共変量 $X_{i}$ のハザード $\exp\left \{ \beta_i\ \left (X_i-\bar{X}_i\right ) \right \}$ が得られる。
また,相異なる共変量の値に対するハザードの比は,ハザード比を表す。
参考文献
演習問題:
応用問題: