No.15655 同じ個体からの相関係数の差:2種類の相関係数でサンプル数が異なる場合は?  【モモちゃん】 2011/11/13(Sun) 05:32

題名のとおりの状況です。

選択行動の実験データを解析しています。 

二つの選択肢 (A,B)のうちどちらか一方のみを選べる状況をつくり,そのreaction timeと実験ブロック当たりの試行完遂率(Sとします)(A,B共通の値になります)の相関係数を算出し,AとBを選んだ場合の相関係数に差があるかど うか知りたいのです。この状況では同一固体のデータでもAとBのサンプル数は異なってしまいます。

A-Sの相関係数は0.25(サンプル数が100)でB-Sの相関係数は-0.3(サンプル数が80)でした。Rで検定した結果,kendallの方法で両方とも有意(Pは両方とも0.0001程度)に0から離れていました。

この場合,A-SとB-Sは互いに正負が逆で且つそれぞれが有意に0から離れているという理由で,この二つの相関係数が有意に異なるものであると結論付けて良いのでしょうか? 

何卒宜しくお願いいたします。  

No.15657 Re: 同じ個体からの相関係数の差:2種類の相関係数でサンプル数が異なる場合は?  【ひの】 2011/11/13(Sun) 10:06

相関係数の差の検定
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Corr/corr4.html

No.15658 Re: 同じ個体からの相関係数の差:2種類の相関係数でサンプル数が異なる場合は?  【モモちゃん】 2011/11/13(Sun) 11:27

ひの様。 

早速のレスポンス有難うございました。 

この方法について知ってはいたのですが,勝手に「少しでも対応があるものについては使えない」と解釈しておりました。 しかし,よく読んでみるとそのような記述はありませんでした。 

対 応がある場合と,同じサンプルからの相関係数の差と,複数の相関係数の差の検定の3つの方法に関して,どれを適用してよいかわからなかったので,はじめの 2つの方法「対応がある場合と,同じサンプルからの相関係数の差」で方法の例で使用されているデータを最後の「複数の相関係数の差の検定」で検定してみ て,両方のデータで,「複数の相関係数の差の検定」のほうがより有意差が出にくいことを確認しました。 

今回のようにあるデータを解析して有意差があることを主張したいけれども,どの方法を使うべきか迷いが生じた場合は,有意差が出にくい方法を使って有意差が出た場合は「統計的に有意である」と言っても安全だと思うのですが,これは正しい態度といえるでしょうか? 

おかしな質問ですが,ご意見を頂戴できると助かります。 

宜しくお願いいたします。 

No.15660 Re: 同じ個体からの相関係数の差:2種類の相関係数でサンプル数が異なる場合は?  【青木繁伸】 2011/11/13(Sun) 18:53

> しかし,よく読んでみるとそのような記述はありませんでした。

全ての条件が書かれていないからというのは,言い訳になりませんね。契約書の免責事項の記述じゃないのですから。

実験計画が不十分だと思います。

> 有意差が出にくい方法を使って有意差が出た場合は「統計的に有意である」と言っても安全だと思うのですが

そんなわけないでしょう。なんのために,様々な検定があるのかわかっていませんね。
例えば,平均値の差の検定(いわゆる t 検定)とマン・ホイットニーの U 検定で,検定結果を比較したとき,常にマン・ホイットニーの U 検定のほうが有意になりにくいというようなことはありません。
> sim <- function()
+ {
+ x1 <- rnorm(20)
+ x2 <- rnorm(30)
+ p1 <- t.test(x1, x2)$p.value < 0.05
+ p2 <- wilcox.test(x1, x2)$p.value < 0.05
+ return(c(p1, p2))
+ }
> set.seed(987)
> ans <- replicate(10000, sim())
> table(ans[1,], ans[2,])

FALSE TRUE
FALSE 9407 80
TRUE 117 396
> cat("t.test 有意,wilcox.test 有意でない:", sum(ans[1,]==TRUE & ans[2,]==FALSE), "\n")
t.test 有意,wilcox.test 有意でない: 117
> cat("t.test 有意でない,wilcox.test 有意:", sum(ans[1,]==FALSE & ans[2,]==TRUE), "\n")
t.test 有意でない,wilcox.test 有意: 80

No.15661 Re: 同じ個体からの相関係数の差:2種類の相関係数でサンプル数が異なる場合は?  【青木繁伸】 2011/11/13(Sun) 22:30

> 選択行動の実験データを解析

そもそも,この実験は「1個体」だけからのデータなんでしょうか?
だとすると,一般性はないですね。

No.15686 Re: 同じ個体からの相関係数の差:2種類の相関係数でサンプル数が異なる場合は?  【モモちゃん】 2011/11/20(Sun) 08:51

青木先生 

貴重なご意見有難うございます。 

たしかに実験計画は不十分かも知れ ません。せっかく得られたデータを何とかして有効活用できないものかと模索しているところです。 それから実験方法とそれに関連したデータの取れ方(同一 個体という意味では対応があるはずでも,2択のうちどちらを何回選ぶかまでは制御できない点)に関しては先行研究との比較があるので,この研究を始めた時 点では実験系を統計にかけやすいように組みなおすことは考えませんでした。以後同様の研究をする機会があったら十分考慮したいと思います。 

適応条件の見逃しの件に関しては,不平不満という意味ではなく,自らの読みの甘さについて言及しただけです。誤解を生じるような表現だったかもしれません。すみませんでした。

それから動物の個体数は7です。 これでもサンプル数が十分とはいえませんが。 

緊急の私用が発生し,ネットにアクセスできない状態が続いたためお礼の返事が遅くなってしまいましたことお詫び申し上げます。 

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