No.16029 Re: Mann-Whitney検定 サンプルサイズが小さい場合について 【青木繁伸】 2011/12/19(Mon) 22:34
> 2群のサンプルサイズから計算したU値20は,Mann-Whitney検定表によるU値1よりも大きいので,P≧0.05となり帰無仮説を棄却できない,という結論になりました。
あ なたの見た表は,同じデータから計算される二つのU値の小さい方が書かれている表では?その表には,n1=4, n2=5 のときの臨界値として U=1 が書かれていたのでは?U=20 と対応するもう一方の U は U=0 です。(二つの U の合計は n1+n2=20になります)。ですから,「Mann-Whitney検定表によるU値1よりも大きい」というあなたの判断は間違っているわけです。
> しかし,実際には,統計ソフトを使ってP値を計算すると,P=0.01となり有意差があるとなります。
n1=4, n2=5 で U=20 または U=0 になる両側検定の P 値は 0.0079365079*2=0.01587302 ですから,有意水準 0.01 では有意ではありませんが,0.05 では有意です。
> この場合,どのように論文で記述すれば良いのでしょうか。
> レヴュアーに「有意差があるのでは?」と指摘されてしまいました
あなたが間違っていて,レビューアーが正しいのですから,素直に間違いを認めれば良いだけです。> (x <- 1:4)両側検定なので,x:y も y:x も同じなので(統計ソフトによっては,どちらの場合も同じ統計量を表示するでしょう),P 値はどちらも同じ 0.01587 になっているのです。
[1] 1 2 3 4 # あなたのデータは,この例と同じように,一番極端な場合なのです
> (y <- 1:5+10)
[1] 11 12 13 14 15 # あなたのデータは,この例と同じように,一番極端な場合なのです
> wilcox.test(x, y)
Wilcoxon rank sum test
data: x and y
W = 0, p-value = 0.01587 # x と y を比較するように指定したとき,U(W)=0 となり,
alternative hypothesis: true location shift is not equal to 0
> wilcox.test(y, x)
Wilcoxon rank sum test
data: y and x
W = 20, p-value = 0.01587 # 逆に y と x を比較するように指定したとき,U(W)=20 となりますが,
alternative hypothesis: true location shift is not equal to 0
> 統計ソフトを使ってP値を計算すると,P=0.01となり
その統計ソフトは,ダメダメソフトですね。即刻,消去・廃棄しましょう。(ちなみに,なんていうソフトですか)
# 「サンプル数」という用語の使い方は間違い。「サンプルサイズ」とでもすべし(直した)
No.16032 Re: Mann-Whitney検定 サンプルサイズが小さい場合について 【タロウ】 2011/12/20(Tue) 09:36
青木先生,どうもありがとうございました。
指摘して頂いたおかげで,どこがどのように勘違いしているのかが
よく理解できました。今後ももっと理解できるよう勉強していきます。
ちなみに,統計ソフトは,Rなど0.002と示したものもありました。
0.01と示したものはエクセル統計でした。
No.16038 Re: Mann-Whitney検定 サンプルサイズが小さい場合について 【青木繁伸】 2011/12/20(Tue) 12:55
> 統計ソフトは,Rなど0.002と示したものもありました。
0.002 ではなくて 0.02 でしょう?
0.01587 を小数点以下2位までに四捨五入すればそうなりますね。
> 0.01と示したものはエクセル統計でした。
Excel は統計ソフトではないし,それにのっかているエクセル統計もオーソライズされた統計ソフトとは言えないでしょう。棄てた方がよいでしょう。
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