No.16369 二つのSpearman's rhoの比較   【とら】 2012/02/07(Tue) 03:04

同一被検者を二つの機械で画像検査し,新たに開発されたソフト(複数)で解析しております。得られた結果は正規分布しませんでしたので,SpearmanのRhoを用いて,従来の方法との相関係数を求めました。

被検者は同一ですが,ソフトと画像の組み合わせがいくつかありますので相関係数も複数得られたのですが,中には比較的大きな差があるものもありました。それで,この差に有意かどうか検定できないか,と考えています。

二つのPeasonのrの差の検定でしたらZ変換を用いて行ったことがあるのですが,SpearmanのRhoの比較に使える方法をご存知の方がいましたら,教えてください。

過去のログを検索しましたが,見当たりませんでした。

よろしくお願いします。

No.16371 Re: 二つのSpearman's rhoの比較   【青木繁伸】 2012/02/07(Tue) 07:11

過去ログもいくつかあるはずですが,スピアマンの順位相関係数は,データの順位をデータとしてピアソンの積率相関係数を計算したものに一致します。
なので,ピアソンの積率相関係数に対するのと同じ検定が使えます。たとえば,母相関係数の検定等々...

No.16373 Re: 二つのSpearman's rhoの比較   【とら】 2012/02/08(Wed) 04:34

青木先生 早速の返信ありがとうございます。

過去ログの検索の仕方を勘違いしていました。
やり直したらいろいろ出てきました。
ありがとうございました。

>データの順位をデータとしてピアソンの積率相関係数を計算したものに一致
なるほどですね。すっきりしました。
これに関連して教えていただきたいのですが,
この方法を論文のMethodのstatisticsに記載する際に,出典として引用できる文献,
テキストなどをご存知でしたら教えていただけないでしょうか?

それとも,これは統計学に詳しい方々には出典が必要ないくらい自明なことなのでしょうか?

No.16374 Re: 二つのSpearman's rhoの比較   【青木繁伸】 2012/02/08(Wed) 08:17

> 統計学に詳しい方々には出典が必要ないくらい自明なことなのでしょうか?

「データの順位をデータとしてピアソンの積率相関係数を計算したものに一致」ということがですか?多くの人にとって自明かどうか知りませんが,定義そのものの話です。

たとえば,R の cor.test の中には,
           method <- "Spearman's rank correlation rho"
if (is.null(exact))
exact <- TRUE
names(NVAL) <- "rho"
r <- cor(rank(x), rank(y))
なんて,さら〜〜っと書いてあります。「x と y のランク(順位)について(ピアソンの)相関係数 cor を計算する」ということなんです。Octave でもrho = corrcoef (ranks (x), ranks (y));としていますね。

No.16385 Re: 二つのSpearman's rhoの比較   【とら】 2012/02/09(Thu) 01:21

早速の返信ありがとうございます。

先生の返信(No.16371)を拝見して,手元にある入門書
(Martin Bland "an introduction to medical statictics 3rd")
でも定義を確認しておりました。
また,Rが使用している計算方法も教えていただいてありがとうございます。
とてもよくわかって,さらに安心しました。

私が追加でお聞きしたかったのは,
「複数のSpearmanのRhoの母相関係数の同等性の検定」にZ変換を使ってよい
(または使用している)文献やテキストなどがありましたら教えていただきたい,
(またはこれが統計家の先生にとって自明なことなのでしょうか?)
ということでした。
私の聞き方がわかりにくくてすみません。

先生にZ変換を使ってよいと聞いてとてもうれしかったのですが,Reviewerに突っ込まれたときに困惑する自分の姿が思い浮かんだものですので。

お心当たりがありましたら,教えていただけますか?

No.16392 Re: 二つのSpearman's rhoの比較   【青木繁伸】 2012/02/09(Thu) 10:11

母相関係数の検定については
http://en.wikipedia.org/wiki/Spearman%27s_rank_correlation_coefficient

One can also test for significance using

t = r \sqrt{\frac{n-2}{1-r^2}}

which is distributed approximately as Student's t distribution with n − 2 degrees of freedom under the null hypothesis.[7] A justification for this result relies on a permutation argument.[8]

8)Kendall, M.G., Stuart, A. (1973)The Advanced Theory of Statistics, Volume 2: Inference and Relationship, Griffin. ISBN 0852642156 (Sections 31.19, 31.21)

なお,サンプルサイズが小さいときには,exact test を行う(統計数値表がある)。

=====

二つの相関係数の差の検定については,別法が紹介されていた(初めて見た)式がわかりにくいけど
http://stats.stackexchange.com/questions/17696/significance-test-on-the-difference-of-spearmans-correlation-coefficient

継続...

No.16403 Re: 二つのSpearman's rhoの比較   【とら】 2012/02/10(Fri) 00:17

青木先生
ありがとうございます。

なるほど,Wikipediaから文献を探す方法がありましたね。
目からウロコです。

文献5,6は読めましたので,7.8は図書館に行って探してみます。

ありがとうございました。

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