No.16380 Re: 共分散分析について 【青木繁伸】 2012/02/08(Wed) 17:32
> 指導前に測定されたテスト得点を共変量,事後のテスト得点を特性値として共分散分析を行うのが一般的だと理解
そうですか。
repeated measures anova かな?って思ってました。
No.16381 Re: 共分散分析について 【コロン】 2012/02/08(Wed) 18:47
青木先生
事前の学力の調整は必要ないのでしょうか?学力が均一であれば,ご指摘の方法があると思ったのですが,,,
よろしくお願いします。
No.16382 Re: 共分散分析について 【青木繁伸】 2012/02/08(Wed) 20:38
変化を見るのだから,同じことだけど,後と前の差をとって一元配置分散分析を行うのと同じ(交互作用項の検定ができないが))。
だと,おもいますが???
No.16383 Re: 共分散分析について 【コロン】 2012/02/08(Wed) 21:03
青木先生
ありがとうございます。
ということは,統計の教科書に書いてあるような こと通りにしなくても構わないということでしょうか。統計の教科書には,事前に能力の統制が取れないような場合は共分散分析を用いる,といったことが書か れてあると思います。今手元にはないのですが,広島大学の森先生らが書かれた統計の本の後半部分にそのようなことが書かれてあったと思うのですが。
心理学のためのデータ解析テクニカルブック
森 敏昭 (著), 吉田 寿夫 (著)
今回は,事後が二つあるために混乱しています。
見当違いのことを書いているのかも知れません。ご指導のほどお願いいたします。
No.16384 Re: 共分散分析について 【青木繁伸】 2012/02/08(Wed) 21:17
> 統計の教科書に書いてあるようなこと通りにしなくても構わないということでしょうか
いやあ,そんなだいそれたことをいうつもりはありません。
テストデータを作って,ふた通りの検定をしてみるのも解決の道につながるのかも。
記載された本は手元にあるので,明日以降検証して見ましょう。
No.16393 Re: 共分散分析について 【コロン】 2012/02/09(Thu) 10:37
青木先生
お返事が遅くなりました。申し訳ございません。
二通りの検定について,専門家の青木先生から具体例とともに解説いただけますと幸いです。人任せはよくないと言うことはわかっておりますが.....。
それから,仮に,ANOVAで行ったとして,たとえばこのあたりの知識に乏しい査読者から「実験前の能力にばらつきがあるのでこの結果は信用できない。共分散分析で再分析すること」と指摘された場合,どのように回答すればよろしのでしょうか?
ご指導,お願いいたします。
No.16397 Re: 共分散分析について 【青木繁伸】 2012/02/09(Thu) 16:18
森,吉田「心理学のためのデータ解析テクニカルブック」,北大路書房,PP.281
表G-3-1 分散共分散分析の適用が数学的に有効であるケース(I)と有効でないケース(II, III)
そもそも,III は y = slope * z + constant の slope が有意に異なるので,共分散分析はできないはずのもの。II は z,y の相関がないのだから,z, y に差がなくて不思議でも何でもない(何をやっても有意でないだけ)。
残る I について> d1 # データy について,通常の分散分析の F(1,10)=1.76 は P=.214,共分散分析で F(1,9)=15.22 は P=0.0036 で有意というのもその通りであろう。
z y g
1 1 2 a
2 2 1 a
3 3 4 a
4 3 3 a
5 5 6 a
6 5 8 a
7 1 2 b
8 1 5 b
9 2 6 b
10 3 6 b
11 4 7 b
12 5 10 b
z, y の差を取ってその差の平均値が二群(a, b) で差があるかを検定してみよう。> sa <- d$y-d$z # 後と前の差P=0.009 となり,共分散分析より検出力が強いようだ。この検定では,ASB タイプの検定では交互作用 A×B が検出されるのだ。
> t.test(sa ~ d$g, var.equal=TRUE)
Two Sample t-test
data: sa by d$g
t = -3.2126, df = 10, p-value = 0.00929
以下略
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/ASB.html> data <- array(c(1, 2, 3, 3, 5, 5, 2, 1, 4, 3, 6, 8,
1, 1, 2, 3, 4, 5, 2, 5, 6, 6, 7, 10), dim=c(6, 2, 2))
> ASB(data)
SS d.f. MS F value P value
Factor A 3.375000 1 3.3750000 0.39667 0.54294
S 85.083333 10 8.5083333
Factor B 26.041667 1 26.0416667 28.66972 0.00032
AxS 9.375000 1 9.3750000 10.32110 0.00929 # ★★ この P 値 !!!
SxB 9.083333 10 0.9083333
No.16398 Re: 共分散分析について 【コロン】 2012/02/09(Thu) 17:52
青木先生
詳細な解説,本当にありがとうございます。先生の用意くださったデータにpost2としてx(3ヶ月後)を追加いたしました(あまり深く考えて追加したものではございませんが)。yが1ヶ月後だと仮定します。
z y x g
1 2 2 a
2 1 2 a
3 4 4 a
3 3 4 a
5 6 6 a
5 8 9 a
1 2 2 b
1 5 4 b
2 6 4 b
3 6 6 b
4 7 7 b
5 10 9 b
1ヶ月後の効果を見たい場合は,先生が示されているもので理解できました。もし,3ヶ月後の効果を見たい場合は,x-zの結果をt.testするということでよろしいでしょうか?
> diff<-datx−dat z
> t.test(diff~datg,var.equal=TRUE)TwoSamplet−testdata:diffbydat g
t = -1.9069, df = 10, p-value = 0.08564
私が追加したデータが良くないと思うのですが,もしここで有意であった場合は,「指導の効果が3ヶ月後もある」ということになると考えます。
もしくは指導を行ったgroup aだけ,xとyで対応のあるt.testを行い,そこに有意差が認められない場合は「効果は持続している」,+の有意差が認められた場合は「さらに効果が伸びている」...という解釈をしても大丈夫でしょうか?
No.16399 Re: 共分散分析について 【青木繁伸】 2012/02/09(Thu) 18:20
> もしここで有意であった場合は,「指導の効果が3ヶ月後もある」ということになると考えます
いいと思います
> 指導を行ったgroup aだけ,xとyで対応のあるt.testを行い,そこに有意差が認められない場合は「効果は持続している」,+の有意差が認められた場合は「さらに効果が伸びている」...という解釈をしても大丈夫でしょうか?
いいとおもいますが,前の検定結果を受けて次の検定結果を解釈することになるので,ちょっと問題かなとも。
No.16400 Re: 共分散分析について 【コロン】 2012/02/09(Thu) 18:34
青木先生
お返事ありがとうございました。共分散分析を使うとばかり思っていましたので,今回のご指導は目から鱗でした。
>前の検定結果を受けて次の検定結果を解釈することになるので,ちょっと問題かなとも。
この点について,少し補足頂けるとありがたいのですが.....。検定の多重性?のことなのでしょうか(申し訳ありません....よく理解できなくて.....)?
さ て少し前に書かせて頂きましたが,論文に記載する場合は,「3ヶ月後-事前 の差を取ってt検定を行った」旨示せばよろしいのでしょうか?青木先生のよう に統計のスペシャリストが査読してくださると安心なのですが,統計をかじった程度の方が(私のような)「ここは共分散分析を使わなければいけない。分析の やり直し」と判定された場合,どのように査読者に対する著者コメントを送ればよろしいのでしょうか?
この掲示板でご教授頂いた内容をURL(投稿番号付きで)送っても構わないのでしょうか?または論文を修正する段階で,参考文献にこちらのURL(投稿番号付き)で示してもいいのでしょうか?もちろん「補注」で,議論の中身はまとめておかなければいけないと思いますが。
No.16401 Re: 共分散分析について 【青木繁伸】 2012/02/09(Thu) 21:05
> 検定の多重性?のことなのでしょうか
検定の多重性という場合には,各検定が独立ということがあります(独立だからこそ,確率が計算できる)。と,思いますけど?
> この掲示板でご教授頂いた内容をURL(投稿番号付きで)送っても構わないのでしょうか?
まあ,非公式な段階なので,送ってもよいかとは思いますが,査読者とて鵜呑みにするわけにもいくますまい。どちらが正しいと言うことは別として。
> または論文を修正する段階で,参考文献にこちらのURL(投稿番号付き)で示してもいいのでしょうか?もちろん「補注」で,議論の中身はまとめておかなければいけないと思いますが。
さすがに,参考文献に挙げると言うことについては,査読者,編集委員会も,賛同するわけにはいかないでしょう。それらのことを投稿者がどう判断したかを,査読者・編集委員会が判断することになるでしょう。
No.16402 Re: 共分散分析について 【コロン】 2012/02/09(Thu) 21:18
青木先生
長時間,ご指導いただきありがとうございます。先生からご教授いただいたことを参考にして,データ収集,分析を進めたいと思います。またわからないことが出てくるかもしれません。ご指導いただければ幸いです。
ありがとうございます。
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