No.17063 食品の官能検査  【大阪ジュース】 2012/06/13(Wed) 09:01

初めまして。
食品の官能評価の統計手法について,
1要因の分散分析(1要因被験者内分散分析)か二元配置の分散分析かで悩んでおります。
ご教授お願い致します。

16 名の実験協力者に対して,ジュースの嗜好調査を行った。試料はA社,B社,C社,D社とした。16名の実験協力者全員が,A〜Dの4社のジュースをそれぞ れ5段階(-2〜2)の評点法で評価した。試料によって,外観,甘味,香りに差があるかどうか。また,差があるとすればどこにあるか検定したい。

調理学系の書物2冊には,甘口評価の人と辛口評価の人がいる,という「人の要因」と,「試料の要因」の2要因で二元配置と記していたのですが,1要因の分散分析をしている官能評価もみます。個人的に1要因の分散分析が適しているように思います。

食品の官能評価では,このような場合,やはり書物のように二元配置の分散分析をして,有意差はスチューデント化された範囲を求めるのが良いのでしょうか。

No.17064 Re: 食品の官能検査  【青木繁伸】 2012/06/13(Wed) 10:06

> 個人的に1要因の分散分析が適しているように思います。

何故そう思うのですか?

No.17069 Re: 食品の官能検査  【大阪ジュース】 2012/06/13(Wed) 13:50

お返事ありがとうございます。

一般的な分散分析の参考書の,繰り返しのある二元配置の分散分析は,
 (例)ある学校では,3通りの指導方法(A1,A2,A3)と2種類の教室(B1,B2)で,英語の授業が行われていた。指導方法と教室の違いによって生徒の理解度テストの平均値に差があるかどうか,また,交互作用があるかどうか。
という場合に使用しています。

私のジュースに当てはめますと,
3通りの指導方法(A1,A2,A3)に当たるのが「A社,B社,C社,D社」
2種類の教室(B1,B2)に当たるのが「16名の被実験協力者」
になります。

大きな違いは,例の2教室B1,B2には各12名の生徒がいますが,私の場合はグループではなく16名個人です。
ですので,教室B1,B2 による理解度の変動の算出と,被実験協力者個人によるジュースの評点に対する変動の算出というのは,個人のデータが各社1つずつですので,二元配置には当てはまらないと思いました。

しかし,私のジュースの件は,
1要因の繰り返しのある分散分析(対応のある1要因分散分析―1要因被験者内分散分析)の例には当てはまります。
 (例)10名が3通りの指導方法(A1,A2,A3)で英語の授業を受けた。指導方法の違いによって生徒の理解度テストの平均値に差があるかどうか。

ただ,食品の官能評価の考え方と例のテストのような統計手法は異なるのかと思い,ご教授願いたいと思いました。
参考論文を見ていますと,一元配置でなさる方も二元配置の方もいらっしゃいます。調理学専門であるなしでも異なるのでしょうか。

No.17070 Re: 食品の官能検査  【青木繁伸】 2012/06/13(Wed) 19:27

> しかし,私のジュースの件は,1要因の繰り返しのある分散分析(対応のある1要因分散分析―1要因被験者内分散分析)の例には当てはまります。

これは,古い名前で呼べば「乱塊法」で,それは,繰り返し数1の二元配置分散分析と同じになります。

乱塊法
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/TwoWayANOVA/randblk.html
二元配置分散分析(各水準の繰り返し数が等しく1である場合)
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/TwoWayANOVA/TwoWay1.html
両方のページで同じデータの分析例が書いてあり,被検者ではない方の要因についての結果が同じになることが分かる。

乱 塊法は被験者に当たる方は同じ被験者の場合もあるし,何らかの基準で同じと見なせる被験者の組であったりしますが,基本は,被験者ではない方の要因が対応 があるデータもしくは対応があるデータと見なせることです。「私の場合はグループではなく16名個人です」の場合の方が自然に「対応があるデータ」と見な すことができるでしょう。

No.17073 Re: 食品の官能検査  【大阪ジュース】 2012/06/14(Thu) 15:02

青木先生

ありがとうございます。
参考書の方法も,二元配置分散分析(各水準の繰り返し数が等しく1である場合)の方法でした。

乱塊法:被験者でない方の要因が対応がある(あると見なせる)場合
上記の二元配置分散分析:被験者に対応がある(あると見なせる)場合
の方法。
ですので,私のジュースの場合は,16名を対応のあるデータとみなして上記の二元配置分散分析の方法を用いるのですね,

万一,パネリストの嗜好の違いで
Pさん A社:-2  B社:-1  C社:0  D社:1
Qさん A社:2  B社:0  C社:-2  D社:1
というように,A〜D社のジュースの評点の傾向に差があることを主張したい場合は,
帰無仮説:各パネリストの嗜好に差はない。
として,乱塊法を用いる

という解釈を致しました。

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 045 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る