No.17086 重回帰における偏回帰係数の比較について  【hagakure】 2012/06/16(Sat) 15:11

重回帰分析でひとつ判断に苦しむ点があり,ご教示頂けますと幸いです。

仮に,Y=a0+a1*X1+a2*X2+a3*X3という重回帰式があったとしてT=|a0|+|a1|+|a2|+|a3|(各偏回帰係数の絶対値の和)を用いて説明変数X1の目的変数Yへの寄与分を |a1|/T (%)とするような考え方は妥当なのでしょうか?

例えば,Y=3+7*X1+4*X2-6*X3という重回帰式があったとして,T=|3|+|7|+|4|+|-6|=20定数項a0の寄与分は3/20=15%,X3の寄与分は6/20=30%といった具合です。

私としては2つ問題があると考えていまして,
1)正と負の偏相関係数を絶対値で合計して,合計の◯%だから寄与分◯%という考え方がそもそも可能なのか?

2)本来は,標準化して標準化偏回帰係数にしないと大小の比較はできないはず。その際も大小の比較はできても,合計の◯%だから寄与分◯%という考え方が可能なのか疑問。

3)標準化すると定数項a0はゼロになるので「定数項a0の寄与分は15%」などそもそも言えないのではないか?

ご教示のほど,よろしくお願いいたします。

No.17091 Re: 重回帰における偏回帰係数の比較について  【青木繁伸】 2012/06/17(Sun) 12:56

> 1)正と負の偏相関係数を絶対値で合計して,合計の◯%だから寄与分◯%という考え方がそもそも可能なのか?

可能ではないし,適切でもない。あなたが次の項で指摘しているとおり。

> 2)本来は,標準化して標準化偏回帰係数にしないと大小の比較はできないはず。その際も大小の比較はできても,合計の◯%だから寄与分◯%という考え方が可能なのか疑問。

一応,標準化偏回帰係数は,それぞれの独立変数が1標準偏差増えたときに従属変数にどれだけの影響が出るかということなのだから,相互比較はできるけど,分母にその合計をとって割合を求めるというのは,実質的な意味が分からない。

> 3)標準化すると定数項a0はゼロになるので「定数項a0の寄与分は15%」などそもそも言えないのではないか?

定数項の寄与分というのは意味がない。

No.17094 Re: 重回帰における偏回帰係数の比較について  【hagakure】 2012/06/17(Sun) 18:47

青木先生
ご教示ありがとうございます。
明快なお答えに,疑問がすっきり氷解しました。
厚く御礼申し上げます。

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