小学校 A B C D E F G H上のデータは,指導前後の人数です。
指導前 食べた 13 6 11 9 6 11 10 8
食べない 20 25 2 12 1 5 5 5
指導後 食べた 27 21 13 21 7 16 10 13
食べない 6 10 0 0 0 0 5 0
No.17283 Re: どの検定を用いるべきか 【青木繁伸】 2012/08/10(Fri) 22:42
8つの小学校の差は調べなくてよいということでよいのでしょうね。
このようなデータは対応のあるデータということになるので,小学生ごとに指導の前後で食べた,食べないの状態を記録しないといけません。つまり,
指導前 指導後
小学生1 食べた 食べない
小学生2 食べた 食べた
: : :
このようなデータを集計すると,以下のような集計表が得られます。指導後そして,指導前と指導後で食べたものの割合が変化したかどうかは,マクネマー検定で検定します。以下のページを参照。
食べた 食べない 合計
指導前 食べた a b a+b
食べない c d c+d
合計 a+c b+d a+b+c+d
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Hiritu/McNemar-test.html
No.17284 Re: どの検定を用いるべきか 【岩崎】 2012/08/10(Fri) 23:12
青木先生,早速有り難うございます。
指導前に食べたと答えた児童が,指導後に食べたまたは食べなかったと答えた・・・・。というように,個人単位では把握できていません。
この場合,どのような検定が可能でしょうか?
カイ二乗検定になりますか?
No.17285 Re: どの検定を用いるべきか 【岩崎】 2012/08/10(Fri) 23:19
食べた 食べなかった度々すみません。
指導前 74 75
指導後 128 21
先ほどのデータからは,上記の集計しかできない状態です。
これを,意味のある変容といいたい場合,どんな検定が可能でしょうか?
No.17286 Re: どの検定を用いるべきか 【青木繁伸】 2012/08/10(Fri) 23:43
残念ながら,意味のある検定はできません
データさえあれば何とかなるというものではないです
どのようなデータがあるかが問題なのです
No.17290 Re: どの検定を用いるべきか 【岩崎】 2012/08/11(Sat) 10:35
お世話になります。
何回も申し訳ありません。
指導の前後で食べている児童は41.7%→85.9%に,食べない児童は50.3%→14.1%になっているので,どうしても何かしら言いたいのですが,今あるデータだけで処理できる方法はないのでしょうか?再度ご教示ください。よろしくお願い致します。
No.17291 Re: どの検定を用いるべきか 【青木繁伸】 2012/08/11(Sat) 19:44
この記事を最後まで読んでくださいね。
> 指導の前後で食べている児童は41.7%→85.9%に,食べない児童は50.3%→14.1%になっているので
41.7% ではなくて,49.7%ですね。
あなたが書いた表,食べた 食べなかった
指導前 74 75
指導後 128 21
は,間違っています。対応のある表は,以下のように書かないといけないのです。指導後しかし,この表は,完成することができません。合計欄がこの通りになる表は,いくらでもあるのです。
食べた 食べなかった 合計
指導前 食べた a b 74
食べなかった c d 75
合計 128 21 149
たとえば,2つの極端な集計表指導後と
食べた 食べなかった 合計
指導前 食べた 53 21 74
食べなかった 75 0 75
合計 128 21 149指導後の間に20種類の表が考えられます。
食べた 食べなかった 合計
指導前 食べた 74 0 74
食べなかった 54 21 75
合計 128 21 149
あなたの実際のデータがそれらのうちのどれであるかがわからないので,検定を行う事ができないのです。食べた 食べなかった 合計とすれば,「2群の比率の差の検定が行えるじゃないか」と思うかも知れませんが,その検定は正確に言えば「独立2標本の比率の差の検定」なのです。対応のある二標本の比率の差の検定(マクネマー検定)ではありません。
指導前 74 75 149
指導後 128 21 149
本来は対応のあるデータを対応のあるデータとして採らなかったために,使い物にならないデータが得られたということです。
で すが,今回の場合は考え得るどの表(データ)であっても,対応のある2標本の比率の差の検定(マクネマー検定)は高度に有意です(より正確な,二項検定で も同じ)。以下に示す22通りの表において,χ二乗値が3.84より大きければ,有意水準5%で有意(p 値は大変小さい)a b c d χ二乗値つ まり,「食べた生徒の割合が有意に高くなった」といえますが,その経過を単純に「応のある2標本の比率の差の検定(マクネマー検定)は高度に有意だった」 とは言えない。データ採取のミスを打ち明け,それでもなお,可能な全ての集計表のどれであっても有意だからという,言い訳を付さないといけない(まあ,書 かなくても良いけど,質問があったら「実は...」というしかない)ということです。
53 21 75 0 30.375
54 20 74 1 31.021
55 19 73 2 31.696
56 18 72 3 32.400
57 17 71 4 33.136
58 16 70 5 33.907
59 15 69 6 34.714
60 14 68 7 35.561
61 13 67 8 36.450
62 12 66 9 37.385
63 11 65 10 38.368
64 10 64 11 39.405
65 9 63 12 40.500
66 8 62 13 41.657
67 7 61 14 42.882
68 6 60 15 44.182
69 5 59 16 45.562
70 4 58 17 47.032
71 3 57 18 48.600
72 2 56 19 50.276
73 1 55 20 52.071
74 0 54 21 54.000
いつも,このようにハッピーエンドになるとは限りません。
No.17292 Re: どの検定を用いるべきか 【岩崎】 2012/08/11(Sat) 20:10
青木先生
今回のデータの取り方では検定できない,ということがよく理解できました。
かみ砕いて分かりやすくご説明いただき,本当に有り難うございました。
実は,このような指導をいくつも行っており,単純に処理できると考えていました。
統計って本当に奥が深いです!対応があるのに,独立2標本の比率の差の検定を行うよりは,いいわけ付きマクネマー検定のほうが良いということですよね?
他の方の質問に比べ,低レベルで申し訳ありませんでしたが,丁寧にご指導いただき感激です。
No.17294 Re: どの検定を用いるべきか 【青木繁伸】 2012/08/11(Sat) 21:06
> 統計って本当に奥が深いです!対応があるのに,独立2標本の比率の差の検定を行うよりは,いいわけ付きマクネマー検定のほうが良いということですよね?
独立2標本の比率の差の検定は,適用できないのです!!
No.17296 Re: どの検定を用いるべきか 【岩崎】 2012/08/14(Tue) 09:58
青木先生
丁寧にご説明いただいたのに,チンプンカンプンな返答をしてしまい申し訳ありません。有り難うございました。
データの取り方について,ご指摘いただいたように不備を示し,可能なすべての組み合わせでマクネマー検定したことを述べて,食べた児童が増えたことを言いたいと思います。
同様に実施した,他の指導についても,ご教示いただいたように検定してみました。
どの指導も,可能なすべての組み合わせで有意になっていました。
参考URLに先生のHPを記載させていただきます。お手数をおかけしました。
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