No.17542 Re: Wilcoxonの符号付順位検定と効果量について 【青木繁伸】 2012/10/18(Thu) 13:13
符号付き順位和検定を行っていながら,「データと中央値をみると,リハビリAの方が,リハビリBよりも数値が小さくなっており」というように測定値で判断しようとしています。底が問題でしょう。測定値でものをいうなら,対応のあるt検定をやればよいでしょう。
ま た,リハビリ A の第 4 例目が顕著な改善を見せる(第 5 例もやや)一方で,リハビリ B ではほとんど改善の見られない例ばかりということなので,そのあたりも考慮する必要があるでしょう。つまり,リハビリ A が良さそうに見えるのは数例の数値の動き方によるということ。それが治療効果だといえばそれまでですが。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/treatment.html も参照のこと
ほかの方のご意見も聞きましょう。
No.17545 Re: Wilcoxonの符号付順位検定と効果量について 【ma】 2012/10/19(Fri) 20:34
丁寧で分かりやすいご回答をありがとうございます。
私の解釈の仕方として,検定では符号付き順位和検定を用いて“順位”を対象にしているのに,データの解釈では中央値の変化という“量”を対象にしてしまっていることが誤りだと分かりました。
“量” を対象にするために対応のあるT検定を行ったところ,その結果とリハビリA・Bのリハビリ前後の平均値の差からの解釈に食い違いがあるため(リハビリAは 有意差なしでリハビリBは有意差ありだが,一方,平均値の差はリハビリAは-111.8でリハビリBは-10.35とリハビリAの方が平均値の差が大き い),データに何らかの問題があると考えるのが良いのですね。
その何らかの問題というのは,リハビリAで大きく改善した2,3例によって,リハビリAの平均値の差が大きくなってしまったということで,結局はリハビリAとリハビリBの改善具合はどちらが優れていると言うのは,今回の結果からは難しいという解釈で良いでしょうか?
No.17546 Re: Wilcoxonの符号付順位検定と効果量について 【青木繁伸】 2012/10/19(Fri) 21:20
> 結局はリハビリAとリハビリBの改善具合はどちらが優れていると言うのは,今回の結果からは難しいという解釈で良いでしょうか?
そのようにも,考えられるということで,他の根拠によれば他の結果になるでしょう。
No.17550 Re: Wilcoxonの符号付順位検定と効果量について 【ma】 2012/10/20(Sat) 19:07
ご回答ありがとうございます。
>そのようにも,考えられるということで,他の根拠によれば他の結果になるでしょう。
リハビリAの方が効果があるということを示そうと思った場合,他の根拠というのを
考えてみたのですが,効果量で示すのはどうでしょうか。
平均値と標準偏差から効果量dを求めると,
リハビリA:d=0.65
リハビリB:d=0.04
となります。
しかし,やはり対応のあるT検定ではリハビリAは有意差なしで,リハビリBは有意差
ありということと矛盾するため,リハビリAは2,3例の大きく改善したデータに
よって平均値の差が大きくなっているだけであるとみなされてしまいますよね。
今回の結果を無理やり効果があると示したい訳ではないのですが,その他の根拠ということについて,全くアイディアが浮かばないので,何かあればご回答いただけたら
幸いです。
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