No.20151 Re: t検定(一人から複数のデータ) 【波音】 2013/08/24(Sat) 17:57
例えばID=1の人については,2つの異なる条件下(条件:1,2)でそれぞれ1回ずつ観測値を得ている(観測値:x1,x2;x3,x4)ということですよね。
この場合,同一条件内での繰り返し測定は「事前事後」のデータといえますから,
・x2-x1
・x4-x3
といったように事前と事後の差をとってあげれば,単純に対応のある2条件の平均値の差の検定になるのではないでしょうか。
【参考URL】
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/TwoWayANOVA/randblk.html
ID 条件 観測値
1 1 (x2-x1)
1 2 (x4-x3)
2 1 (x6-x5)
2 2 (x8-x7)
ただ,解釈は少し難しくなるので「条件によって,事前事後の差分に差は認められない」というのが帰無仮説になります。
安易には使えませんが, (x1 + x2) / 2 といったように平均値にしてしまう,というのも1つの方法で,そちらの方が解釈はしやすいと思います。ただし,観測時間による変動がどの個体(被験者)も一定である,というような仮定が必要になると思いますが。。。
No.20152 Re: t検定(一人から複数のデータ) 【川羊】 2013/08/24(Sat) 18:30
返信をありがとうございます。
平均などで,何とかしてデータを集約するというのも考えたのですが,結果的に情報量が落ちてしまうのと,波音様がおっしゃるようにその根拠の妥当性が気になり,そのままデータを扱えないかと思っていたのですが,難しそうですね...
一般線形モデル(一変量)として,条件を固定因子,IDを変量因子とするのはダメですか?これだとt検定でもなくなってしまいますが...
お忙しいところご回答を頂き,感謝いたしております。
No.20153 Re: t検定(一人から複数のデータ) 【波音】 2013/08/25(Sun) 10:22
> 一般線形モデル(一変量)として,条件を固定因子,IDを変量因子とするのはダメですか?これだとt検定でもなくなってしまいますが...
一般線形混合効果モデルというやつですね。そのアプローチで正しいと思います。
な お,統計学の教科書で書かれている「t検定」や「分散分析」は一般線形モデルにおいてはどちらも「分散分析モデル」として扱われています。要するに目的変 数が連続型,説明変数がカテゴリカル型である(カテゴリカル型はダミー変数として扱われる)モデルが「平均値の差の検定」に該当しています。
先のスレッドであげた「対応のあるデータにおける平均値の差の検定」に該当するのが線形混合効果モデルです。「対応あり」という情報を変量効果としてモデルに取り込んでいるわけです。
分かりやすさについていえば
藤越ほか「経時データ分析」オーム社(2008)
などがおススメです。
No.20155 Re: t検定(一人から複数のデータ) 【川羊】 2013/08/26(Mon) 13:08
丁寧なご説明を頂き,感謝いたしております。
早速ご紹介頂いた本を借りて,勉強しよう思います。
お時間を割いて頂き,ありがとうございました。
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