No.21665 コホート研究における研究開始時の検定結果の解釈 【臼井】 2015/05/20(Wed) 22:10
はじめまして。
膝関節症が動脈硬化を悪化させるかどうかを前向きに検討しています。
観察開始時に関節症群と非関節症群の2群間における動脈硬化の程度に,有意差は認めませんでした。また,動脈硬化に関連する背景因子についても,全て有意差は認めませんでした。その後,1年間経過を追ったところ,関節症群では動脈硬化は有意に悪化し,非関節症群では不変でした。そのため,私は関節症が動脈硬化を悪化させることが示唆されたと解釈しました。
しかし,関節症自体は年単位かけて病態が進むものであり,今に始まったことではないので,もし関節症が動脈硬化を悪化させるのであれば,研究開始時にすでに関節症群の方が動脈硬化が悪化した状態にあるはずであり,前向きに検討した結果はその時点で意義は無いのではないかと指摘されました。
確かに関節症自体は比較的長期に進行するもので,一理あると思いましたが,動脈硬化のリスク因子は一つではありません。様々な因子の影響を考えると,研究開始時に2群間に有意差が無かったとしても,その時点で関連がないと結論付けることはできないのではないかと思いますし,それでは前向きに検討する意味もなくなってしまうのではないかと考えています。
どのような解釈が妥当か,ご教授願えればと思います。
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